角換わりの将棋で、▲4五桂から潰されてしまった経験がある人は多いだろう。単純な桂跳ねにも関わらず、対応はやっかいだ。
角換わりを指す以上、右玉であっても▲4五桂からの速攻には対応できなければならない。
序盤の▲4五桂跳ねの強襲
例えば、以下の図。
いきなりの桂跳ね。対抗策としては、△2二銀、△4二銀、△4四銀などが考えられるが、△2二銀を見てみたい。
以下、▲2四歩、△同歩、▲同飛の局面。
△2三銀と飛車に当てるのは飛車切りの攻めが決まる
個人的に好みの手は△2三銀。ここで▲2九飛と収めてくれれば、△2四歩。
▲7一角に対して、△7二飛、▲5三角成、△4四角打という手筋で受かる。
まあ、ここからも▲2二歩の筋があって難解だが、なんとか指せそうだ。
というわけで、戻って△2三銀の局面。ここで、飛車捨ての強襲がある。
▲2三龍!
△同金、▲7一角打、△7二飛、▲5三角成。
ここで△4四角打は、▲4二銀打、△6一玉(△同金は▲6三馬)、▲4四馬、△同歩、▲5三桂と絡まれて、敵陣に飛車打ちの隙はなく、右玉側苦しい。
というわけで、△2三銀と飛車に当てるのは苦しそう。
そこで、△4四歩はどうか?
桂馬取りを狙う△4四歩なら互角
相手はタダで桂馬を取られてはいけないので、▲3四飛。ここで△2三銀はどうか。
▲3二飛成の強襲が気になるところだが、△同銀に▲2二歩に対しても、△3七歩の切り替えしがある。ソフトの評価値も右玉側に+500程度あるので、これは悪くないだろう。
というわけで、大人しく▲3五飛と引き下がるのが最善。
ここで桂馬と取ってしまうと▲2四歩で終わってしまうので、△3四歩と安全にいこう。
この局面は互角。右玉側の選択肢としてはアリだろう。
ただし、まだまだ難しいので、この先の研究もしておきたいところだ。
▲4五桂を避けるなら△6二銀型で駒組み
図のように、△6二銀のまま保留し、5三の地点を補強しながら駒組すれば、▲4五桂の筋はない。▲4五桂が怖い、という人は、このように組むこともおすすめだ。
以上、▲4五桂への対策である。
まだまだ色々な変化が潜んでいるだけに、今後も取り上げていきたい。
また、以下のエントリも参考にしてほしい。
「神速!角換わり2五歩型必勝ガイド」は右玉党にも役に立つ一冊
2019年8月19日現在、Kindle Unlimitedに登録されています! 今回は2018年末に発売されたばかりの長岡裕也五段著「神速!角換わり▲2五歩型 必勝ガイド」を紹介したい。 長岡裕也五段といえば羽生九段の研究パートナーとしても...