角換わりの脅威・4五桂への対策

対矢倉

角換わりの将棋で、4五桂から潰されてしまった経験がある人は多いだろう。単純な桂跳ねにも関わらず、対応はやっかいだ。

角換わりを指す以上、右玉であっても4五桂からの速攻には対応できなければならない。

序盤の4五桂跳ねの強襲

例えば、以下の図。

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v桂v銀v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
手数=23  ▲4五桂  まで

いきなりの桂跳ね。対抗策としては、2二銀、4二銀、4四銀などが考えられるが、2二銀を見てみたい。

以下、2四歩、同歩、同飛の局面。

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金v銀 ・|二
|v歩v歩v桂v銀v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
後手番
手数=27  ▲2四飛  まで

2三銀と飛車に当てるのは飛車切りの攻めが決まる

個人的に好みの手は2三銀。ここで2九飛と収めてくれれば、2四歩。
7一角に対して、7二飛、5三角成、4四角打という手筋で受かる。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v桂v銀 馬v歩 ・v銀v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v角v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=34  △4四角  まで

まあ、ここからも2二歩の筋があって難解だが、なんとか指せそうだ。
というわけで、戻って2三銀の局面。ここで、飛車捨ての強襲がある。

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v桂v銀v歩v歩 ・ 龍v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩 
後手番
手数=29  ▲2三龍  まで

同金、7一角打、7二飛、5三角成。
ここで4四角打は、4二銀打、6一玉(同金は6三馬)、4四馬、同歩、5三桂と絡まれて、敵陣に飛車打ちの隙はなく、右玉側苦しい。

後手の持駒:角 
後手の持駒:飛 角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v玉 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・v金 銀 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v桂v銀 圭 ・ ・v金v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二 
後手番
手数=39  ▲5三桂  まで

というわけで、2三銀と飛車に当てるのは苦しそう。
そこで、4四歩はどうか?

桂馬取りを狙う4四歩なら互角

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金v銀 ・|二
|v歩v歩v桂v銀v歩 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=28  △4四歩  まで

相手はタダで桂馬を取られてはいけないので、3四飛。ここで2三銀はどうか。

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v桂v銀v歩 ・ ・v銀v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩 飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二 
手数=30  △2三銀  まで

3二飛成の強襲が気になるところだが、同銀に2二歩に対しても、3七歩の切り替えしがある。ソフトの評価値も右玉側に+500程度あるので、これは悪くないだろう。
というわけで、大人しく3五飛と引き下がるのが最善。
ここで桂馬と取ってしまうと2四歩打ちで終わってしまうので、3四歩打ちと安全にいこう。

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v桂v銀v歩 ・ ・v銀v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 飛 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二 
手数=32  △3四歩  まで

この局面は互角。右玉側の選択肢としてはアリだろう。
ただし、まだまだ難しいので、この先の研究もしておきたいところだ。

4五桂を避けるなら6二銀型で駒組み

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v桂 ・v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
後手番
後手番
手数=21  ▲6八玉  まで

図のように、6二銀のまま保留し、5三の地点を補強しながら駒組すれば、4五桂の筋はない。4五桂が怖い、という人は、このように組むこともおすすめだ。

以上、4五桂への対策である。
まだまだ色々な変化が潜んでいるだけに、今後も取り上げていきたい。

また、以下のエントリも参考にしてほしい。

「神速!角換わり2五歩型必勝ガイド」は右玉党にも役に立つ一冊
今回は2018年末に発売されたばかりの長岡裕也五段著「神速!角換わり2五歩型必勝ガイド」を紹介したい。 長岡裕也五段といえば羽生九段の研究パートナーとしても有名で、著書も多数ある序盤研究家だ。 「神速!角換わり2五歩型必勝ガイド...