前回に引き続き、ソフトが指した対7二金型右玉の棋譜を紹介したい。
前回のエントリはこちら↓
ソフトの指した対早繰り銀7二金型右玉(速攻への対応編その1)
羽生九段が連載しておなじみの7二金型右玉だが、将棋ソフトは以前から採用することがあった。 そこで、今回はソフトが指した7二金型右玉のうち、対早繰り銀でかつ、速攻で銀交換をしてきたケースの対局を3局紹介したい。今回はその1局目。 なお、羽生九...
前回は居玉のまま攻めてきたが、今回は6二玉の一手が入っており、先手陣もかなり堅くなっている。
一方、右玉側も飛車先を止める前に右玉に移動できる。
棋譜は以下からどうぞ
2018-05-23 stealth_momo(2351) vs JKishi18gou(3194)
6二玉型からの仕掛け
本局は居玉ではなく、▲7八金と▲6八玉を入れてからの▲3五歩の仕掛け。
△同歩、▲同銀に、ここで△7二金を入れる。
▲2四歩、△同歩、▲同銀、△同銀、△同飛。
ここで△2三歩打とは受けず、△6二玉!
先手も守備に手をかけている分、地下鉄飛車をいちはやく効かせることができる。
ソフト評価値はわずかに後手に傾いた互角。
ここで先手の手は広い。
右玉、△4四角打から反発する
本譜は▲6六歩。
7二金型は△6五桂跳ねが好手になることが多いので、事前に防いだかもしれない。
ソフトは、▲7七銀と壁銀を解消する手や▲1六歩、▲2三歩打などを読んでいた。
右玉側は△4四角打!
ぼんやりしているようだが、この手が好手。
▲7七銀で6四の歩を守ったところで、△3五銀! かなり打ちにくい銀だが、これで飛車をいじめていく。
▲2八飛に△2六歩打。
後手の狙いは△5五角だ。
そこで先手は▲5六歩。しかしこれは悪手だった。
△3六銀と進む。
▲3八金と受けた手に△3三桂と力を貯める。
ここまで来れば右玉の優勢は明らかだろう。
以下、右玉側がゴリゴリ攻めて勝利となった。
飛車をいじめていく手順は参考になるだろう。
次回は速攻への対応編の最終回。
比較的穏やかな展開になった棋譜を紹介する。