2019年10月4日に行われた叡王戦六段予選で、先手の阿部光瑠六段が3八金型右玉を採用してくれたので紹介したい。
阿部光瑠六段は16歳でプロ入りした俊英。オールラウンダーで右玉の採用も比較的多い。対するのは村中秀史六段。最近、YouTuberとしてデビュー。人狼ゲームの強豪としても有名だ。
本譜は後手の早繰り銀に対して、先手が3八金型右玉を採用!
後手番7二金型右玉と同じ意味だが、プロ棋戦では初めてかもしれない。
後手は仕掛けることもできたが自重。先手は右銀を5六に繰り出す。
このままセカステ右玉にするかと思いきや、玉が左に大移動し、結果的には銀矢倉に収まった。
矢倉で安定した先手は歩の突き出しから仕掛けるが、やや無理気味。
的確に咎めた後手に形勢は傾いていく。
そして91手目の▲7二銀打の局面。先手玉に難解な詰みが発生(31手詰)。
しかし、後手はこれを逃す。(自信がある方はリンク先の棋譜から解いてみてほしい)
98手目△5二銀打と受けた局面。これが悪手。
形勢は混沌とするが、それでも後手が残しており、最後は即詰みに。村中六段の勝利となった。
棋譜はこちらからどうぞ
2019年10月4日14:00~ 村中 秀史 六段 対 阿部 光瑠 六段
ニコ生の動画はこちらから
【将棋】第5期叡王戦 六段予選 村中・遠山・及川・阿部
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※将棋連盟の棋譜利用問い合わせフォームから、31手目、47手目、91手目、98手目の局面図使用を問い合わせ中です。
負けてはしまったが、右玉から銀矢倉へ引っ越しする構想はユニークだった。
右玉NOWは今後も阿部光瑠六段を応援します!