一手損角換わりに対して、先手が早繰り銀で最短に攻めてきた場合、即右玉にするのは苦しい。具体的には以下のエントリを参考にしてほしい。
一手損角換わり右玉 vs 8八銀・6八玉型早繰り銀 右玉にするのは厳しい?
一手損角換わり7二金型右玉に対して早繰り銀で攻めるのは常套手段だが、8八銀・6八玉型で攻めてくる作戦はかなりやっかいだ。
具体的な局面は以下。
この形は7二金型対策になるため、プロの実戦でも出つつある。
そこで、今回は△4二飛と周り、四間飛車にする指し方を簡単に紹介したい。
後手の方針
後手はどのような方針で指せばよいか? ざっくりと解説する。
7二金型の右玉にする
後手の目指すのは7二金型の右玉。上図の形が一例。
6筋に振り直す
先手の陣形によっては、6筋に振り直し、玉を左に寄せる形もある。
馬作りは積極的に狙っていく
馬が作れそうなときは、積極的に狙っていこう。△3九角打はチャンスがあれば打つ。
この局面は先手がうっかりしたわけではなく、角打ちを織り込んだ作戦だが、打って問題ない。
▲8二角打の筋は注意
後手がうっかり△6二玉としてしまうと、▲8二角打がある。これは先手有利なので注意したい。玉を右に行きたい場合は、△7二金を入れることを忘れずに。
先手が▲3五歩とした場合の展開
先手が▲7八玉で銀にヒモを付けて、△4四歩としたあとに、▲3五歩と積極的に攻めてきた場合の展開を紹介したい。
後手は△4五歩から反発。
先手はここで逃げているようでは何をしているのかわからないので、▲3四歩。
※この局面は2019年11月8日のヒューリック杯棋聖戦 稲葉陽八段-糸谷哲郎八段戦で出現しました!
△4六歩、▲3三歩成、△同桂と進行。
▲4六歩、△同飛。
この局面は互角。
先手は▲4八歩打が堅い受けか。
というわけで、先手が積極策に出ても局面は互角。
実戦はお互いに陣形整備にする落ち着いた展開になることも多い。
今回は以上です!