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山崎隆之八段、プロ棋戦では珍しい対振り右玉で三間飛車穴熊に勝利!

プロの右玉

2019年11月6日に行われたヒューリック杯棋聖戦一次予選で、山崎隆之八段が対振り右玉を採用してくれたので紹介したい。

山崎隆之八段といえば、元祖西の王子。独創性の高い序盤構想に定評があり、強力な受け技術も兼ね備える。右玉の採用も多い。

対するのは杉本昌隆八段。生粋の振り飛車党で、最近では藤井聡太七段の師匠として有名。

本譜は、杉本八段の三間飛車に対し、山崎八段が5三銀型の対振り右玉で対抗することになった。
対振り右玉はプロ棋戦では珍しいが、アマチュアには人気の作戦。糸谷流右玉と呼ばれることもある。
最近では、豊川孝弘七段が対振り右玉の専門書「スリル&ロマン 対振り飛車右玉」を上梓したことでも記憶に新しい。

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後手、相振り飛車を見せつつも右玉へ

先手の杉本八段は初手7八飛。後手は1筋の端を詰める。
後手は雁木に似た形で相振り飛車の可能性も秘めつつ駒組み。
先手が穴熊を目指したところで後手は居飛車を明示。
右玉が完成した時点でのソフト評価値はわずかに後手よりの互角。後手作戦勝ちと言ってよいだろう。

その後、先手が銀を繰り出してきたところで後手が反発。
43手目▲6九歩打が先手にとって緩手だったが。評価値も完全に後手へ。

先手の攻めが繋がるか、後手が切らすか

後手の方針は相手の攻めを切らしつつ、入玉を狙うこと。先手は穴熊を生かして攻めをつなげることとはっきりすることになった。
この展開は山崎八段の得意とすることだろう。

後手の好手△8四飛打!

ハイライトは87手目の局面。先手が飛車を切って、▲7四金打と飛車銀取りで絡んてきたところ。
ここで後手は△8四飛打!
これがソフトも認める好手で、後手の優位は崩れず。
その後も先手も粘るが、入玉は阻止できず投了となった。

というわけで、プロ棋戦では滅多に見られない対振り右玉は、右玉側の勝利! これを機にもプロ棋戦で見てみたい。

右玉NOWは今後も山崎八段を応援します!

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