谷川浩司九段、右玉を採用! 激しい流れからの端歩の好手が光る

プロの右玉

2019年11月7日に行われた竜王戦4組昇級者決定戦で、後手の谷川浩司九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。

谷川浩司九段は、将棋界レジェンドの一人。21歳での名人獲得は空前絶後の大記録で、藤井聡太七段ですら更新は相当難しいだろう。タイトル獲得は歴代4位の27期。

対するのは高見泰地七段。今年度はやや不振だが、若手トップクラスの棋士であることは間違いない。前叡王で居飛車党だ。

本譜は相矢倉模様から先手が急戦を仕掛け、後手が6五桂跳ねを入れてから右玉にするという展開になった。

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先手、急戦を狙い、後手は流れに沿って右玉へ

序盤は相矢倉になるかと思われたが、先手は居玉のまま▲3七銀と積極的な姿勢を見せる。
後手は△4四銀の形で早繰り銀を受けるが、先手は▲7一角から攻めを継続。
▲3五歩の瞬間に後手も△7五桂と跳ねて反撃し、激しい展開となった。
すでに力戦調だが、ソフトの評価値はわずかに先手よりの互角。

先手は攻めの銀交換に先行し、角が2四に飛び出て王手。後手はその瞬間に△6二玉として右玉へ。

後手、落ち着いた端の好手

43手目、▲4六角と引いた時点では先手に狙いが多く優勢……に見るがソフト評価値は互角。
次の△2六歩打が好手だった。
▲同飛に△4四角として飛車に当てるのが継続手。この局面は互角。
その後、角の取り合いになる激しい展開になるが、そこで後手はじっと△9四歩!(55手目)。
この手は右玉の安全度を高める素晴らしい一手。

先手、端からの反撃を間に合わせる

その後、後手の攻めが続き忙しい局面に見えたが、先手73手目の▲1五歩がセンスあふれる一手だった。この手が間に合うとは!
後手は端を受けずに攻めるが、それが結果的に敗着になったかも知れない。

86手目△8二香は王手金取りを防ぎつつ先手玉を睨む攻防手だったが、次の▲7三銀!と銀を捨てる手が、それを上回る好手。
△同玉、▲9三飛打で後手投了となった。攻めの金を外されては投了もやむなしか。

というわけで、負けてはしまったが谷川九段の右玉が見られて右玉党には嬉しい限りである。
右玉NOWは今後も谷川九段を応援します!