対振り飛車用の右玉・糸谷流右玉を指す上で、最低限覚えておきたい筋を紹介していこう。まずは、9筋の角覗きだ。
なお、組み上がるまでの注意点は以下のエントリを参考にしてほしい。
糸谷流右玉の駒組みと序盤の注意
対振り飛車の右玉として有名なのが、糸谷八段が奨励会時代に考案した「糸谷流右玉(いとだにりゅうみぎぎょく)」だ。 プロでは滅多に見かけないが、アマチュアでは人気の戦法として確立されている。 今回は対四間飛車の糸谷流右玉の序盤のくみ上げ方と、注...
9筋の角覗き
9筋への角を覗くのが糸谷流の基本筋。注意点は、飛車を必ず下段に落としてから実行すること。飛車が下段にないと、9五歩の筋を防げない。
下段にあれば、9五歩は怖くない。
同歩、同香、8六香、9九香成を同飛と取れることがポイント。
8六香打への対策
8六香打と攻めてきた場合はどうするか。
この場合は、角を逃げてはいけない。角は見捨てて、9八香と設置して攻めれば、右玉有利だ。
9八歩の叩きは田楽刺しをあえて受ける
少し戻り、ちょっと捻って、角が逃げた時点で9九香成ではなく、9八歩打として場合はどうか。
9五角、9九歩成、同飛に、9一香打。
後手の持駒:なし
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v桂v金v歩 ・v角v歩 ・|三
| ・ ・v歩v歩v銀v歩v歩 ・v歩|四
| 角 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 桂 銀 歩 銀 桂 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 金 ・ 玉 金 ・ ・|八
| 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:香 歩二
手数=46 △9一香 まで
角取りは避けられないが、9四歩、同香、7三角成、同銀、9四飛で2枚換えとなり、右玉優勢だ。
というわけで、振り飛車側は9五歩は突けない。
銀冠への対策
8四歩などで銀冠を目指してきたら、どうするか。
7五歩から歩交換して、歩を取りに行くのが手筋。
7四歩打とした局面を見てみたい。
8三の歩をかすめ取る手と9七角と引く手がある。
8三にいくと角が捕まりそうだが……。
8三銀に8三角成、同金が意外にも互角。相手が歩切れなことがポイント。
右玉側は8筋の歩を伸ばしていく。この局面の研究の価値はあるかもしれない。
(実戦では7五角の時点で、8三銀と歩を守ってくるケースが多いが)