2020年2月13日に行われた順位戦B級1組の対局で、後手の郷田真隆九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
郷田真隆九段は羽生世代の強豪で、居飛車本格派。王位、棋聖、棋王、王将のタイトル経験があり、獲得は6期。若い頃のイケメンぶりでもお馴染み。
対するのは畠山鎮八段。双子棋士で攻め将棋の気風。こちらも居飛車党であり、右玉もたまに採用してくれている。
本局は角換わりから後手の郷田九段が右玉に。対する先手の畠山八段は右玉対策の地下鉄飛車を見せるという展開となった。
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郷田九段の右玉!
序盤は角換わりから郷田九段がストレートに右玉へ。恐らく用意の作戦だったのだろう。郷田九段には右玉というイメージがなかったので驚き。棋譜を探ればあるのかもしれないけど。
対する先手は▲8八銀として地下鉄飛車の構想を見せる。右玉としては警戒すべき筋だ。
先手、右玉を早々に捨てる!
地下鉄飛車を警戒した後手は、△5一玉~△4二玉で右玉を捨てて戦場から離れる。この呼吸は右玉党としては身につけておきたい。
対する先手は▲1八香で、1筋からの攻めを見せる。後手は△2二金で受け、△5一玉で再度玉に中央へ。序盤は玉がよく移動する。
後手、手待ちで無理攻めを誘って優位に
後手の方針は手待ち。先手が9筋に飛車を振った瞬間に反撃を開始したが、これが良いタイミングで形勢は徐々に後手に。
99手目、先手は飛車切りを決断するがギリギリの攻め。104手目の2五桂が、タダのところに逃げる妙手。これを見て先手の畠山八段の投了となった。
やや早めの投了に見えるが、プロ的には攻めが切れているのだろう。
というわけで、右玉らしい快勝譜となった。
右玉NOWは今後も郷田九段を応援します!