山崎隆之八段、順位戦で玉が縦横無尽に動き回る右玉を披露!

プロの右玉

2020年3月12日に行われた順位戦B級1組の対局で、後手番の山崎隆之八段が右玉を採用してくれたので紹介したい。

山崎隆之八段といえば、独創的な序盤で人気の元祖・西の王子。2度のNHK杯制覇をはじめ、新人王戦、叡王戦(タイトルになる前)など一般棋戦の優勝多数。王座戦の挑戦経験もあり、解説時の軽快なトークもファンから愛されている。棋風はまれに振り飛車も指すが基本は居飛車党。相掛かり・横歩取りが得意で、右玉も指しこなす。

対するのは屋敷伸之九段。最年少タイトル挑戦と最年少タイトル獲得の記録を持つ(藤井聡太七段は屋敷九段の最年少タイトル挑戦はクリアできず、現在最年少タイトルホルダーのチャンスはある)。順位戦との相性がなぜか悪く、なかなか昇級できないことが「将棋界の七不思議」とされていたが、現在はB級1組と堂々たる位置といえよう。

本局は角換わり右玉から後手番が右玉。山崎八段の玉が移動しまくる展開となった。

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中住まいを見て右玉を捨てる

序盤、後手はストレートに右玉へ。先手はそれを見て、6ニまで移動した玉を5ニに戻して中住まいに。対右玉の有力な対策だ。
ここでいきなり山崎八段の奇手△5一金!右玉からの変化を狙った手だが奇抜だ。
これを見て先手は矢倉へ。後手は、△6三玉!と空中要塞へ。
さらには後手は先手が▲6七金と上がったのを見て、6三の位置から3一まで玉を大移動する。どこまでも自由な序盤。さすが山崎八段だ。

先手の緩手で後手逆転するが……

場面は終盤。108手目△6五歩の時点では先手有利だったが、次の▲1六角打が悪手で形勢が入れ替わったようだ。変えて▲2三角なら優勢が維持できたかもしれない。しかし、後手も1分将棋。形勢はほぼ互角。難解な終盤戦へと突入する。

敗着は132手目△6八龍だろうか? 自然な手に見えるが、変えて△2五銀打なら互角だったようだ。もし、局面図の許可を頂けたら図面付きで深く紹介したい場面ではある。

149手目▲8三銀打を見て後手投了。後手玉は必死で、先手玉はギリギリ詰まない。
驚くべきことに、1三にいる「と金」がいなければ詰むようだ。

というわけで、右玉側の負けになってはしまったが、山崎八段の序盤戦術はやはり独創的で面白い。相手の形を見つつ右玉を諦めるという戦法はぜひ参考にしたい。

というわけで、右玉NOWは今後も山崎隆之八段を応援します!

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