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丸山九段、一手損角換わりから右玉に変化。飛車切りの強襲が見事に決まる!

プロの右玉

2020年4月10日に行われた王座戦二次予選にて、後手番の丸山忠久九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。

丸山九段といえば、羽生世代の棋士で元名人の実力者。そして、一手損角換わりの名手である。この対局も期待通りに一手損角換わりを採用してくれた。カロリーメイト好きでもお馴染み。

対する先手は佐藤康光会長。こちらも羽生世代(一学年上だが)の超強豪にして、元名人。一手損角換わりの著書があり、独創的な序盤が特徴だ。

本局は一手損角換わりから先手が4七角を配置。それから後手が右玉に繰り替えるという展開となった。

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後手は待機策を経て右玉へ

序盤は一手損角換わりに対し、先手が腰掛け銀。後手は一度4二に玉を移動したあと、4二と5二で待機する最新の作戦に。
対する先手は4筋の位を取り、▲4七角を設置。それを見て後手は左銀を中央に寄せ、それから右玉へ移行した。
右玉完成時(54手目)の評価値は互角。これは後手満足の展開といえるだろう。

後手、驚異の飛車切り

57手目▲3五歩に対して、△2四角打としたのは後手の好手。先手の角は紐がついておらず動きにくい。
70手目△4七角打も好手。右玉党としては指せるようになりたい一手。変えて桂頭を狙う△3六歩は▲3四飛が両取りになるので無効。△4七角打を打ってからなら△3六歩は成立する。

87手目の▲同銀とした局面、次の一手は驚くべきものだった。
△同飛!
いきなりの飛車切り。果たして成立しているのだろうか?
右玉は飛車打ちのスキが大きいだけに、相当な勝算がないと指せない。

▲同歩に対する継続手は△8七歩。▲同玉は△8一飛成、▲同金は△7一銀打があるのでこの歩は取れない。従って▲9八玉と寄る。
ここからの後手の細かい攻めは参考になるのでぜひ並べてみてほしい。

結果は後手の丸山九段が寄せ切って勝利。飛車切りも成立していたようだ。右玉の快勝譜と言ってよいだろう。

というわけで、右玉NOWは今後も丸山忠久九段を応援します!

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