現在発売中の将棋世界2020年8月号で羽生流右玉(7二金型右玉)が戦術特集されています!
羽生流右玉は7二金型右玉とか、羽生式右玉とかいろいろな呼ばれ方をしていますが、将棋世界が「羽生流右玉」というならば、それが標準になる感じでしょうか。
ミギーはdマガジンに加入しているので、そちらで読ませてもらいました。
戦術特集の目次は以下の通り。
●戦術特集(総合監修:所司和晴七段)
・手損上等! 一手損角換わり ―強敵早繰り銀には羽生流右玉で対抗―
【Chapter1】基礎知識「1手損を生かす考え方 ―なぜ早繰り銀が有力なのか―」
【Chapter2】講座「強敵早繰り銀 最新撃退術 ―新機軸 羽生流右玉の狙いとは―」
【Chapter3】好局鑑賞「プロの柔らかい指し回しを体感」
【Chapter4】次の一手
4つのチャプターに分けて一手損角換わりを羽生流右玉中心に紹介するという内容です。講師は所司和晴七段。
Chapter1は、一手損角換わりの誕生と基本を解説。「―なぜ早繰り銀が有力なのか―」は、一手損角換わりに対する先手側の対応として早繰り銀が有力、という意味。知らないと誤読するかもしれない。このチャプターでも「右玉は有力」として、矢倉右玉にする戦い方も紹介されています。
Chapter2は羽生流右玉(7二金型右玉)の紹介。羽生流右玉の流れを初手から解説しています。ページ数が限られているので変化は少ないですが、これから羽生流右玉を指してみたいという人には役に立つかもしれません。早繰り銀に対し、四間飛車にする手順も簡単に紹介されています。
Chapter3は実戦例。羽生九段による羽生流右玉が2局、一手損角換わりのスペシャリスト丸山九段の対局が2例です。
Chapter4は次の一手11問。そのうち7問が羽生流右玉からの問題になっており、難易度が★~★★★までの三段階に分かれています。
個人的な感想としてはかなり充実した内容であると思いつつも、一言でもよいから創始者である羽生九段のコメントを聞いてほしかったですね。なぜ、採用したのか? ソフト由来なのか? 最近は指してないけど、なぜなのか? あたりを。
それから、一手損角換わりの有力対策であり、最近のプロ棋戦で頻出している8八銀・6八玉型早繰り銀についても解説してほしかったところです。

これらを含めて棋書としてぜひ発売してほしいですね。羽生九段の監修付きで……。
また、右玉NOWでは羽生流右玉を「7二金型右玉インデックス」としてどこよりも(多分)詳しく紹介しているので、参考にしてもらえると幸いです。
