糸谷流右玉に対し、四間飛車側が早めに6五歩と突いて開戦してくる場合がある。
その場合の指し方は考えて置かなければならない。
今回は後手糸谷流右玉で検討していこう。
糸谷流右玉以前の仕掛け
アマチュアレベルでもあまり見かけないが、糸谷流右玉を見せる前の6五歩突き。
これは、7七角成でよい。
7七角成、同歩、8六歩。
これで、後手有利。
このあとは、同歩、同飛、8八歩打、4二玉として、後手指しやすい。
7三桂としたあとの6五歩
7三桂と糸谷流右玉を志向したあとの6五歩の早めの仕掛け。こちらは実戦でもよく見かける。
こちらも7七角成がよい。
(先後逆のパターンは以下のエントリでも軽く触れている)
糸谷流右玉の駒組みと序盤の注意
対振り飛車の右玉として有名なのが、糸谷八段が奨励会時代に考案した「糸谷流右玉(いとだにりゅうみぎぎょく)」だ。 プロでは滅多に見かけないが、アマチュアでは人気の戦法として確立されている。 今回は対四間飛車の糸谷流右玉の序盤のくみ上げ方と、注...
7七角成、同桂に、4二玉で互角。
ここは後手の手が広いところ。
ゆっくり囲ってくる場合もあるが、6四歩、5五角打などで積極的に来た場合の対応を考えておきたい。
まずは、6四歩と仕掛けてきた場合。
同歩、同飛までは必然で、ここで5五角打がおすすめ。
振り飛車側の最善手は7四飛。
6七飛は6六歩打、8六歩で右玉有利。
この局面が超重要で、7七角成でも悪くはないが、6三歩打から激戦になる。
同銀に7三飛成とした手が、飛車取り。
この局面では、6二飛が盤上この一手で、そのほかの手だと一気に劣勢になってしまう。
ソフト的にもわずかながら右玉がよいので、この先を研究するならば、この変化に飛び込むのはアリだろう。
というわけで、7七角成は自重し、8六歩とするのが個人的におすすめ。
ここで6三歩打は同銀でも7三の桂馬が角によって守られている。
よって同歩とするしかないが、同飛で右玉側が悪くない。
この先は、6三歩打、同銀、9五角打、8四歩打などが進行の一例。
振り飛車側の手段も多く、研究課題にしたい局面でもある。