2020年7月10日に行われた朝日杯オープン戦で所司和晴七段が後手番で右玉を採用してくれたので紹介したい。
所司七段は、渡辺明三冠を筆頭に多くの弟子を抱えていることで有名。ゲーム関連にも博識だ。
対する先手は小林宏七段は居飛車党ながら相振り飛車をわずかに指すというベテラン。早指し新鋭戦での優勝経験がある。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
解説なしですがAbemaTVの中継も見られます
【独占!!】朝日杯 先崎九段-西尾七段/小林七段-所司七段/田村七段-第2局勝者
※4:01:40ごろから。幻の詰み発生は6:23:48ごろ。
角換わり腰掛け銀 vs 矢倉右玉
序盤は手損なしの角換わり。後手は、一度左に行った玉を右に移動させて右玉へ。
後手が△4四銀と繰り出したところで、先手は▲2四歩と飛車先の歩交換。
△同歩、▲同飛の局面は右玉党としては△2三歩と収めたくないところ。所司七段も△3五歩と反発した。
56手目の局面では先手に▲8四桂と捨てる妙手があったが、先手は見逃して互角の局面になった。
先手の端攻め
▲8四桂はのがしたものの、▲9五歩からの端攻めも右玉にとって嫌なところ。
うまく手を作られ、飛車を取られてしまう。この手順は右玉が苦手な人には参考になるだろう(参考にしなくてもよいが……)。
先手一瞬のチャンス! 31手詰めが発生も……
終盤は評価値も激しく揺れる激戦になるが、後手勝勢へ。しかし、142手目に△2二玉ではなく、△4二玉と逃げた局面にわずかなスキがあった。
上図は詰みに関連のある駒を中心にした局面図。最短31手詰みを読み切ることはできるだろうか?
正解例はこちら。
本譜は詰み筋には入らず。1分将棋なので無理もないところだろう。
先手は詰めろを解除することができたが、駒損が大きく投了。後手右玉の勝利となった。
いかにも右玉らしい展開なので、右玉党はぜひ並べてみてほしい。
というわけで、右玉NOWは今後も所司和晴七段を応援します!