2020年7月14日に順位戦C級1組2回戦が行われたが、18局中3局が右玉となったので簡単に紹介させてほしい。
それにしても、3局も右玉とは……。もはや将棋の戦法は右玉かそれ以外かでわけてもよいかもしれない。
いずれの対局も棋譜は棋譜は名人戦棋譜速報(有料)からどうぞ。
銀多伝の形に! 高橋道雄九段 vs 高見泰地七段
矢倉風味の出だしから後手番の高見七段が飛車先を受けず、右玉へ。右玉の理想形である銀多伝の形に組めるが、ソフト評価は互角。もちろん後手としては不満がない形。
先手は9筋からの仕掛けを見せて、右玉が反発する。
終盤まで均衡の戦いが続くが、104手目の△6六歩打がソフトによると悪手か。変えて、△6四飛で歩を払ったほうがよかったようだ。
以降は高橋九段が細い攻めをつないで勝利となった。
セカステ右玉登場! 西尾明七段 vs 北島忠雄七段
角換わり相腰掛け銀の出だしから、後手の北島七段はセカステ右玉に。昨年(2019年)流行した形だが、プロ棋戦では久々に見るかもしれない。
先手は穴熊、後手は4筋からの攻めを見せる。後手は薄い形だが馬を作ったことが主張で、80手目時点でも互角。
後手が銀を失ったあとは激しすぎる攻め合いに両者ギアをアップ。
後手の猛攻を受け切って、最後は華麗に寄せた西尾七段の勝利となった。
高野秀行六段 vs 三枚堂達也七段
先手は銀矢倉、後手は雁木模様から右玉へ。角交換はなし。
先手は金銀四枚の堅陣だが、ソフトの評価はわずかに後手寄り。9筋を詰めていること、先手から有効な攻めがないことを評価したのだろうか?
先手は飛車を5筋にまわして仕掛けるが、右玉が反発。
薄い形だが、悪手無く攻めた右玉が優勢になったところでやや早めの投了。三枚堂七段の快勝譜と言ってよいだろう。
以下は三枚堂七段の局後のツイート
昨日は勝ちでした。
夕休明けに迎えた図の局面、迷いましたが△4五同金と踏み込めたのが勝因になった気がします。以下▲6五銀△同銀左▲5七桂と先手に技をかけられましたが、相手の力を利用して△7六歩から攻め合いで制することができました。
順位戦は1-1、先は長いですが一局一局頑張ります。 pic.twitter.com/v5IBWtvSij— 三枚堂達也 (@sanmaido714) July 15, 2020
以上、順位戦の右玉3局の紹介でした。ぜひ並べてみてほしい。
というわけで、右玉NOWは今後も高見七段、北島七段、三枚堂七段を応援します!