8月1日に放映された第3回AbemaTVトーナメント本戦準決勝第二試合にて、近藤誠也七段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
第3回AbemaTVトーナメントとはネットのAbemaTVで放送されている3人1組のチーム戦。
決勝トーナメントは予選とルールが変わり、5勝先取ルールとなる。出場する棋士は対局ごとに選ぶことが可能だ(1人最大3局まで)。
8月1日の放送は三浦弘行九段率いるチームミレニアムと渡辺明二冠率いるチーム所司一門の対戦。
初戦の三浦九段と渡辺二冠の因縁(?)の対決が終わったあと、第二戦は本田奎五段 vs 近藤誠也七段戦。
後手番の近藤誠也七段は24歳にしてB級1組在籍という若手トップ棋士。純粋な居飛車党でスキのない将棋を指す。順位戦で唯一藤井聡太棋聖に土を付けた棋士でもある。
対する先手の本田奎五段も若手棋士。デビュー翌年に棋王戦の挑戦を果たした超有望株だ。右玉の採用も多く、第3回AbemaTVトーナメントの予選リーグでも右玉を採用して勝利を上げている。
第3回AbemaTVトーナメントでチーム三浦の本田奎五段が初戦で右玉!
2020年4月18日にAbemaTVで放送された第3回AbemaTVトーナメントで本田奎五段が右玉を採用してくれたので紹介したい。 本田奎五段はプロ1年目ながら棋王戦挑戦を果たしたホープ。棋王戦では右玉を採用している。純粋な居飛車党で得意戦...
というわけで、動画は以下からどうぞ
生中継!第3回AbemaTVトーナメント準決勝<チーム渡辺 VS チーム三浦>
※57:45ごろから 視聴期限あり
※ABEMAプレミアムならコメント付きで視聴可能です。
将棋連盟主催の棋戦ではないため、一部局面図のみ掲載させていただきます。AbemaTV関係者の方、問題ありましたらご連絡お願いします。
後手、相掛かりから力戦型を経て右玉へ
序盤は相掛かり模様の出だし。ここから力戦型になる。
この△7三桂はすごい。▲4五銀や▲2五歩の攻めが見えているからだ。近藤七段は大丈夫と見て陣形整備に入る。
56手目にして右玉へ。本譜の右辺は不思議な形だが、ソフト評価値は後手有利。後手作戦勝ちと言えるだろう。
右玉、△7五歩からの異筋の仕掛け
66手目△7五歩!
玉頭に近いだけに異筋の仕掛けだ。アマチュアには真似しにくい。
突き捨てておいて悠然と左金で3五の歩を取りに行く。
先手は▲7六銀と立って厚みを増やすが、ここからの後手の攻めが見事だった。
右玉、一気に攻めつぶす
△8八歩打。▲同金と取らせて壁にしてから一気に攻める。
9筋の攻めは無視して、4筋、3筋からの攻め。
81手目▲同桂に対し、近藤七段は一度桂馬を掴むが、変えて△3九角打!
これが勝負手。
実はこの手は悪手で、先手は飛車を見捨てて▲4五桂と跳ねれば優勢だったようだ。
本譜は▲3八飛としたため、後手の攻めが筋に入った。持ち時間が超短いフィッシャールールだけに仕方がないところだろう。
△4八角成、▲同飛、△3七桂成で以下図。
これは後手が一本取った形だ。
最後は詰みを読み切って飛車で角をとって、▲同ととしたところ。
ここで先手玉に詰みがある。
△5九角打を見て先手投了。
合駒は△同角成、▲同玉、△5八飛成から詰み。
というわけで、近藤七段の快勝となった。
というわけで、右玉NOWは今後も近藤誠也七段を応援します!