8月8日に放映された第3回AbemaTVトーナメント本戦準決勝にて、増田康宏六段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
第3回AbemaTVトーナメントとはネットのAbemaTVで放送されている3人1組のチーム戦。
決勝トーナメントは予選とルールが変わり、5勝先取ルールとなる。出場する棋士は対局ごとに選ぶことが可能だ(1人最大3局まで)。
8月8日の放送は準決勝。永瀬拓矢二冠率いるチームバナナと佐藤康光会長率いるチームレジェンドの対戦。
チームバナナの3勝2敗で迎えた第6戦は谷川浩司九段と増田康宏六段の対局となった。
後手の増田康宏六段は若手の居飛車党。新人王を2回獲得している強豪で近い将来のタイトルホルダー候補。公式戦での右玉の採用も何度かある。
対する先手は谷川浩司九段。説明不要のレジェンド中のレジェンドだ。
というわけで、動画は以下からどうぞ
生中継!第3回AbemaTVトーナメント準決勝<チーム永瀬 VS チーム康光>
※3:28:55ごろから 視聴期限あり
※ABEMAプレミアムならコメント付きで視聴可能です。
将棋連盟主催の棋戦ではないため、一部局面図のみ掲載させていただきます。AbemaTV関係者の方、問題ありましたらご連絡お願いします。
後手、矢倉右玉からセカステ右玉、雁木右玉へ
角換わりの序盤から先手はストレートに右玉へ。先手は腰掛け銀。
さらに後手はセカステ右玉へと変化する。ここから両者は手待ち模様。増田六段の研究の範囲内で、後手作戦勝ちと言ってもよいかもしれない。
後手はさらに6三金型の雁木右玉への形へ。
右玉から仕掛ける
64手目、△6五歩と仕掛ける。後手としても玉頭で怖いところだが、成立しているようだ。
後手、ギリギリの受け
83手目、先手は馬を取らず、▲5四歩と叩いたところ。受け間違えると一気に潰れてしまいそうで怖いところだ。
△同銀、▲同銀に、△4四馬と引いた手が好手!
▲5五銀打で被せていくが、△5四金、▲4四銀に△5八歩打と桂馬を生かした叩きでギリギリ受かっている。
増田六段確実に寄せる
99手目、先手は▲5四角打で飛車金取りをかける。
ここで△8六桂打! この手が詰めろ。
先手は8一角成で首を差し出したが、増田六段は確実に詰み上げた。最短13手詰みなので、考えてみてほしい。正解はこちら。
増田六段の感想は、「序盤は研究通りに行きました」とのことで、セカステ右玉の形で深い研究があることを匂わせている。右玉ファンとしては、ぜひ、棋書にしてほしいところだ。
というわけで、右玉NOWは今後も増田康宏六段とAbemaTVトーナメントを応援します!