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角換わりの脅威・▲4五桂への対策(▲3五歩型)

▲4五桂対策

角換わりの▲4五桂については、以前のエントリで紹介した。

角換わりの脅威・▲4五桂への対策
角換わりの将棋で、4五桂から潰されてしまった経験がある人は多いだろう。単純な桂跳ねにも関わらず、対応はやっかいだ。 角換わりを指す以上、右玉であっても4五桂からの速攻には対応できなければならない。

今回は一手損角換わりの出だしから、先手が▲3五歩と突いてから攻めてくるタイプを紹介したい。

具体的には以下の局面。

テーマ図

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
後手番
手数=21  ▲4五桂(37) まで

▲3五歩と突き捨ててから▲4五桂と跳ねてくる攻め。間違えるとすぐに悪くなってしまうので、基本的な対応方法は覚えておきたい。
ネット将棋ではよく見かける局面だ。

動画で観たい場合は以下からどうぞ

▲4五桂までの流れ

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
後手番
手数=17  ▲3七桂(29) まで

一手損角換わりから先手は2五歩まで決めておき、序盤早々▲3七桂。いつでも▲4五桂を狙っている手で、右玉党でも△4二玉としておいたほうが無難。

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
後手番
手数=19  ▲3五歩(36) まで

先手、▲3五歩!
こうなるともう止まらない。素直に△同歩の一手。

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
後手番
手数=21  ▲4五桂(37) まで

▲4五桂!
厳密には成立していないような気もするが、咎めるのも厄介だ。
△2二銀と△4四銀で迷うところだが、強く△2二銀と引こう。

△2三銀で強く受ける

後手の持駒:角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v金v銀 ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
後手番
手数=25  ▲2四飛(28) まで

▲2四歩、△同歩、▲同飛。
ここも分岐点の一つだが、△2三銀で強く受けたい。

後手の持駒:角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・v銀v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=26  △2三銀(22) まで

ここは先手の攻めの岐路。
▲3三歩打、▲2九飛、▲同飛成などがある。

経験上、▲同飛成が多いので、そちらを本線に考えたい。

▲3三歩打は、△同桂(△2四銀で飛車を取るのは危険で先手優勢)、▲同桂成に、△同玉! と取ろう。
▲2九飛には、いったんは△2四歩で収めておく。

▲2四歩は△同金と取る

後手の持駒:角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・ 龍v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩 
後手番
手数=27  ▲2三飛成(24) まで

先手は▲同飛成で勝負してくる。△同金の一手。

後手の持駒:飛 角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・v金v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 
後手番
手数=29  ▲2四歩打 まで

飛車を捨てた継続手は▲2四歩打。
悩ましい一手だが、これは△同金が正解。
△2二銀と引くと、▲2三銀打と絡む手が意外とうるさい。

後手の持駒:飛 角 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・ 角 ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
後手番
手数=31  ▲2二角打 まで

先手は▲2二角打と打ってくる。この局面が超重要で、間違えると奈落に落ちる。

後手の持駒:飛 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・ 角 ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v角 ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
手数=32  △4四角打 まで

△4四角打と合わせる。盤上この一手とも言って良い、絶対に覚えておきたい手筋。
形勢は後手有利。

先手は▲3一銀、▲5三桂成、▲同角成のいずれかだろう。
▲3三銀打は後手が数で上回っているので、ありえない。

▲5三桂成の場合

後手の持駒:飛 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・ 角 ・|二
|v歩v歩v歩v銀 圭v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v角 ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩 
後手番
手数=33  ▲5三桂成(45) まで

▲5三桂成は最善手。
先手は桂損ながら、馬を作れるので、指してくる可能性は高い。

△同玉も△同角もあるが、△同玉を推奨したい。

以下は、▲3一角成、△6一玉、▲2一馬(以下図)

後手の持駒:飛 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ 馬v香|一
| ・v飛 ・v玉 ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v角 ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 桂 歩 
後手番
手数=37  ▲2一馬(31) まで

桂馬を取り返されたが、近々の脅威は去った。▲4三馬を防ぐために、△5二金としよう。
以下、▲4五歩、△5五角、▲6六銀、△1九角成が進行の一例。

▲3一銀打の場合

後手の持駒:飛 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ 銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・ 角 ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v角 ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
手数=33  ▲3一銀打 まで

▲3一銀打は角に紐をつけつつ、王手。
欲張って、△3二玉もない手ではないが、△5二玉のほうが安全で、評価値も高い。

後手の持駒:飛 角 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ 銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v玉 角 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
手数=37  ▲4二角打 まで

▲4四角成、△同歩、▲4二角打(上図)が、▲5三桂成と金取りの両方を見た好手に見えるが、△4五歩と桂馬を外して後手優勢だ。▲2四角成で金を取りつつ馬を作られるが問題ない。

以下、進行例は△2九飛打、▲3五馬、△1九飛成。

▲4四角成の場合

後手の持駒:飛 角 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・ 角 ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
後手番
手数=35  ▲2二角打 まで

▲4四角成は、△同歩にもう一度▲2二角と打ってくる。これは、△4五歩で桂馬を外せば良い。

後手の持駒:角 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 馬|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・v金 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・v飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 香 
手数=38  △2九飛打 まで

▲1一角成に、△2九飛打でOK。
▲2一馬で桂馬も取られるが、△3四金で後手優勢だ。

▲4三銀打は怖いが、強く△3三玉としよう(以下図)。

後手の持駒:角 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ 馬 ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀v歩 銀v玉 ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v金 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・v飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 香 
手数=42  △3三玉(42) まで

以上、▲3五歩からの▲4五桂対策でした。
▲4五桂にやられると悔しさは倍増だと思うので、しっかり受け方は覚えておこう!

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