将棋の世界では、小学生でも大人顔負けの棋力を持つ者たちがいる。
彼らの棋譜は、将棋愛好家として学ぶべきものも多い。
というわけで今回は、小学生の将棋大会から、糸谷流右玉の一局を紹介したい。
2013年の将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会より、高田明浩君(現奨励会三段)の一局。
2013-10-06 アマ棋戦高田明浩 vs. 伊藤優 将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会
四間飛車vs糸谷流右玉の戦いに。
四間飛車側は、糸谷流対策となる3三桂を実現。
序盤の攻撃のいなし方などは参考になるはずだ。
小学生らしく、中盤以降は悪手も多数出てしまうが、それもご愛嬌。逆転の連続で棋譜としても面白い。
序盤の何気ない一手だが、少し危険だった。
4五歩の仕掛けが成立しており、4五歩、同歩、5五角、3八金、4五銀と進むと右玉側も嫌。
変化の結果図。潰れているわけではないが、受け切りは至難の業。
本譜に戻り、5一角と引いて、次の3三桂を見せる相手に、はやめに9七角。
この筋は、過去のエントリでも紹介しているので参考にしてほしい。
糸谷流右玉潰し・3三桂&端角への対策 その1(対美濃囲い)
糸谷流を潰すために、3三桂&1三角の形から攻めてくることは常套手段だ。 糸谷流右玉にとって非常にやっかいな相手で、油断するとすぐに潰されてしまう。 そこで対策方法を考えてみよう。 振り飛車側が2二角。これが油断ならない一手で、警戒しなければならない。
6六歩を狙った手に対して、5七銀とガッチリ受ける。
5七金も考えられるが、良い手だ。
5一飛は緩手。ここで良い手があったが、7七金として逃してしまう。
正解は以下。
正着は5三桂成。同金でも同飛でも4五桂打で、評価値+1000近い。
以降は糸谷流右玉としては参考にならないかもしれないが、大悪手があったりと将棋として面白いので、興味があれば並べてみてほしい。