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順位戦でセカステ右玉が2局! 山崎隆之八段と屋敷伸之九段がそれぞれ採用(局面図なし簡易紹介)

プロの右玉

2020年10月8日に行われた順位戦B級1組の対局でセカステ右玉が2局登場したので紹介したい。

順位戦B級1組
深浦康市九段 vs 山崎隆之八段戦と
近藤誠也七段 vs 屋敷伸之九段戦である。

棋譜は名人戦棋譜速報(有料)からどうぞ

深浦-山崎戦はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらからもどうぞ。

※順位戦の棋譜・局面図使用は対局2ヶ月後からとなっておりますので、以下は局面図なしの簡易紹介です

深浦康市九段 vs 山崎隆之八段戦

先手は地球代表としてお馴染み深浦康市九段。
後手は一手損角換わりを得意とし、右玉の採用も多い山崎隆之八段。

本譜は正調の角換わりから先手は腰掛け銀。後手は飛車を4筋に展開してから△5四銀・△6三銀型の右玉へ。

右玉NOWではセカステ右玉と呼んでいる形で、一時期プロ棋戦で流行したが、最近はほどんど見なくなっていた戦い方だ。詳しくは以下のエントリを見てほしい。

最先端で蘇るセカステ右玉
最近、プロ棋士や強豪ソフトが右玉を採用するケースが多いが、中でも際立っているのは角換わり腰掛け銀から変化する「セカステ右玉」の形だ。 そこで、今回はセカステ右玉の話をしていきたい。 名人戦でセカステ右玉が登場! 先日行われた名人戦第3局。こ...

中盤は完全に先手作戦勝ちで後手が苦しい展開になるが、113手目の▲3三龍が悪手だったか。変えて▲5四銀なら後手は相当苦しかったと思われる。
というわけで、山崎八段のちょい悪逆転術で見事逆転。その後も難しい局面が続くが、再逆転はさせず(ソフト評価値的に)、山崎八段が押し切っている。

近藤誠也七段 vs 屋敷伸之九段戦

続いては近藤-屋敷戦。
近藤誠也七段は若手強豪で順位戦に強く24歳にしてB級1組のエリート。
対する屋敷九段は藤井聡太二冠に破られるまで最年少タイトルホルダーの記録を持っていたトップ棋士。

こちらも正調角換わりから後手はセカステ右玉。長らく指されていなかった作戦が突然2局も出現するとは……。これがシンクロニシティというものだろうか?

本譜は後手が手待ち模様だが、先手がうまく打開。
先手優勢の局面が続くが、後手も決め手を与えず粘り、123手目には逆転模様。
129手目の局面が本譜のハイライト。後手がどう逃げるかだが、1つだけ正解があり、あとはアウト。局面図が解禁になり、許諾が出ればぜひ紹介したい局面なので、順位戦速報で見られる人は確認してみてほしい。いかにも危なそうな逃げ方のみ正解という局面だ。

最後は近藤七段が華麗に寄せて勝利となった。

以上、順位戦で登場したセカステ右玉2局でした。
右玉NOWは今後も山崎隆之八段と屋敷伸之九段を応援します!

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