2020年10月28日に行われた大成建設杯清麗戦で、先手番の鈴木環那女流三段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
(この日は平藤-佐々木大地戦も右玉だったので、次回紹介予定)
鈴木環那女流三段は、テレビ出演やネットの将棋番組の出演が多い人気女流棋士。最近では、森内俊之九段のYouTubeチャンネル「森内俊之の森内チャンネル」の出演でもお馴染み。実母が島朗九段と再婚していたことを発表し、話題となった。居飛車党である。
対する後手は貞升南女流初段。こちらもネット将棋番組の出演が多い人気女流棋士で居飛車党。二児の母でもある。
本譜は角換わりなしの将棋で先手が右玉、後手が棒銀となった。
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棒銀に対する右玉の対応
先手右玉に対して後手は棒銀で積極的に攻める。右玉側の継ぎ歩や8筋への垂れ歩など、角換わりなし棒銀の対応に困っている人はぜひ参考にしてほしい。
とくに、44手目の局面はありがちな場面で、一見後手の攻めが決まっているようだが、対応策はあるのだ。
後手の緩手で先手優勢に
45手目△2二歩は後手の緩手か。自然な一手に見えるが、そのまえに△2八歩打と叩くべきだったかもしれない。右玉側も注意したい筋で、飛車が上ずれば防御は弱体化する。△7七銀成の攻め合いもありなようだ。
この手を境に形勢ははっきりと先手に。先手は左右挟撃で着実にリードを広げて押し切った。
というわけで、先手の快勝局といってよいだろう。
右玉NOWは今後も鈴木環那女流三段を応援します!