2020年11月5日に行われた叡王戦予選にて、後手番の中村太地七段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
中村太地七段はタイトル戦登場4期、獲得1期の一流棋士。居飛車党だが、右玉の採用は珍しいかもしれない。テレビ出演も多いこともあり知名度は高く、最近はYouTubeでも活動中。
対する先手は横山泰明七段。タイトル獲得こそないが、順位戦はB級2組の実力者。こちらも居飛車党である。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
Abemaの視聴はこちらから可能
第6期叡王戦予選中川八段-野月八段 /戸辺七段-近藤誠七段/横山七段-中村太七段
※8:43:40頃から。解説なし、視聴期限があるかも。
※ABEMAプレミアムならコメント付きで視聴可能です。
後手、角交換なし雁木右玉へ
序盤、先手が角交換を拒否。先手は雁木模様、後手は雁木右玉へ。
後手は1筋から地下鉄飛車で攻め体勢を見せ、1~3筋を支配して有利な状態へ。
後手優勢に進むが、先手も決め手を与えず、徐々に形勢は互角近くになっていく。
先手の好手▲7三香
106手目△3五角は角を逃げつつ急所に位置する手だが、この手は緩手だったようだ。
続く▲7三香が好手だった。この手は詰めろ。
すでに一分将棋に入っており、後手は△1九飛。
▲9二桂成からの詰みがあり、正確に寄せた先手の逆転勝ちとなった。
(△1九飛がトン死ぽい感じだったが、敗着は△3五角と思われる)
というわけで、優勢に進めつつも恐るべき逆転を食らうという、ある意味では右玉っぽい負け方となってしまった。しかし、優位に立つまでの指し回しは見事。
中村太地七段の右玉を今後も期待したい。
観戦いただいた方ありがとうございました。最後は魅入られたような負け方でお粗末でした。最終盤は勝ちがありそうな気もしましたが分かりませんでした。終盤の精度を上げなければならないのは勿論ですが、本局で最も悔やまれるのは中盤の終わりでの感覚の悪さです。
残念ですが、また頑張ります。— なかむらたいち (@banibanilla) November 5, 2020
右玉NOWは今後も中村太地七段を応援します!