2021年5月13日に行われた順位戦B級1組で、後手番の郷田真隆九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
郷田真隆九段は羽生世代の強豪棋士でタイトル獲得は6期。格調高い居飛車本格派で、右玉も時々採用する。
対する先手は松尾歩八段。A級経験のある中堅棋士で、こちらも居飛車党。松尾流穴熊など、研究家としても知られる。
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※順位戦の棋譜・局面図使用は対局2ヶ月後からとなっておりますので、以下は局面図なしの簡易紹介です
角換わりからセカステ右玉へ
序盤は角換わり。後手は飛車を4筋に振ってから、一度左に行った玉を右に移動し、腰掛け銀からセカステ右玉へ変化する。一時期プロの間でも流行した形で、最近は後手の模様が悪いのか、見ることは少なかった。
セカステ右玉については以下エントリを参考にしてほしい。
最先端で蘇るセカステ右玉
最近、プロ棋士や強豪ソフトが右玉を採用するケースが多いが、中でも際立っているのは角換わり腰掛け銀から変化する「セカステ右玉」の形だ。 そこで、今回はセカステ右玉の話をしていきたい。 名人戦でセカステ右玉が登場! 先日行われた名人戦第3局。こ...
先手端攻め中に後手反撃
中盤、先手は9筋から端攻め。当然ながら右玉の弱点でもあるが、後手玉は6二なので、端を突破してもやや遠い。端攻め中に後手はうまく反撃して、と金を生成。このあたりから、流れは徐々に後手寄りに。
ギリギリの攻めを凌いで後手勝利
先手は囲いを残しつつ右玉に迫るが、後手もうまく受けて次第に先手の戦力不足が明らかに。矢倉が残った状態で、先手投了となった。
というわけで、郷田九段がセカステ右玉で勝利した一局でした。
右玉NOWは、今後も郷田真隆九段を応援します!