2021年5月14日に行われた王将戦一次予選で後手番の渡辺和史四段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
渡辺和史四段は26歳の若手棋士。2020年度は31勝15敗と高い勝率をあげている。居飛車党で角換わりの将棋が多い。
対する先手は近藤誠也七段。24歳にしてB級1組在籍というエリート。居飛車党で公式戦の右玉採用もある。
王将戦の棋譜利用は有料のため、以下局面図はありません。ただし、類型は紹介させていただきます。
相掛かり vs 右玉の流行型へ
序盤は相掛かりから、先手は棒銀、後手は右玉へ。
本譜は先手の右桂が跳ねていないものの、▲3五歩の位を取って攻める最近流行している形。
最近では2021年4月22日の王将戦一次予選 山崎隆之八段- 大橋貴洸六段戦が似た形で、ABEMAトーナメント伊藤匠四段 – 高野智史五段戦、floodgateの水匠4なども類型を指している。詳しくは以下のエントリをどうぞ。
王将戦一次予選で大橋貴洸六段が右玉! 水匠4もfloodgateで類型を指してる気になる形
2021年4月22日に行われた王将戦一次予選にて、後手番の大橋貴洸六段が右玉を採用してくれたので紹介したい。 大橋貴洸六段は奇抜なスーツで有名な若手棋士。四間飛車に大隅囲いを組み合わせた「耀龍(ようりゅう)四間飛車」で升田幸三賞を受賞してい...
35手目の局面は、後手が受けようにないように見えるが、強引に角交換に持ち込むことで受かっている。ただ、本譜は桂跳ねで受けたが、40手目に△1五角としたほうが良かったかもしれない。
48手目の△2六歩から先手ペースに。飛車回りを狙った手だが、ここは打ちにくくはあるが、△4四銀打で受けたほうが良かったようだ。ソフト評価値は互角。
ここから流れは先手に。
以降、後手も猛反撃するが、やや駒不足で苦しい展開。
自陣飛車で右玉の理想形を再構築するが、先手の攻めが正確で先手勝利となった。
相掛かりの出だしからの右玉は最近良く見るようになった。右玉側が悪いということはなさそうなので、今後も公式戦で出現するかもしれない。
というわけで、右玉NOWは今後も渡辺和史四段を応援します!