2018年12月8日の朝日杯二次予選で佐藤康光九段が右玉を採用してくれた。
佐藤九段と言えば、先日の順位戦でも右玉を採用して勝利したばかり。
そちらの記事は以下を参考にして欲しい。
A級順位戦で佐藤九段が雁木右玉で勝利!
2018年11月22日に開催されたA級順位戦の大舞台で、佐藤康光九段が雁木右玉を採用した。 佐藤九段は現将棋連盟会長。羽生世代の強豪で、独創的な序盤が魅力。 対する三浦九段もA級の強豪。ソフト冤罪事件で被害も受けたが最近は復調中。 棋譜は以...
というわけで、棋譜は以下から。
2018年12月8日 第12回朝日杯将棋オープン戦二次予選
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https://migigyoku.com/kifu/kf.php?kifu=20181208sato.kif
康光流変態右玉が悪手を誘う
角換わりを拒否して、飛車先の歩交換を甘受。というか、現代将棋は飛車先の歩交換はそれほど気にしないようだ。
金銀を左に寄せてからの右玉という独特の作戦。ソフト的にも6二玉は候補手。
先手が4四歩と自然と攻めたところに同角と取ったところ。次の一手が悪手で形成がはやくも開いてしまった。
当然の一着にも見える同角が悪手。次の5五角打を防ぐ必要が出てきた。
4六銀や6六歩がよかったかもしれない。
同金に6六角打と設置したが、4三銀で先手から早い攻めがない。角を手持ちにしている後手が有利な局面となった。
少し進んだ局面。中盤だが、評価値は1500点近い大差。銀1枚の守備が心もとない気もするが、後手からの有効な手段がない。
左銀を繰り出して先手崩壊へ
佐藤九段は左銀を繰り出していく。右玉らしい攻め筋。
繰り出した銀が7七まで進出して守備駒の銀と刺し違え。これは満足な展開だろう。
佐藤九段の堅実な寄せ
その後先手も盛り返すが、後手勝勢になった局面。後手の立場で寄せ方を考えてみて欲しい。
正解は4六歩打。
同銀と取るしかないが、3八角打、2八飛、5六馬。
後手も怖い格好だが、まだ耐えている。が、先手も行くしかない。
4六馬を見て三枚堂六段が投了。6二歩成と3七馬が受からない。
というわけで、佐藤九段の右玉快勝譜でした。
アマチュアには真似できない構想かもしれないが、楽しい一局だった。
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↓そんな佐藤九段の勝局集!