前回に引き続き、ソフトが指した早繰り銀 vs 後手7二金型右玉の対局から、先手が3四歩打とした場合の対処方法を紹介したい。
テーマ図は以下の通り。ここから△4四銀と出るのが前回紹介した対策だが、ここで先手が▲同銀とするのは非常に有力だ。その対処方法を紹介したい。
参考棋譜はこちら
41527560_0805_naonao_p_2453_xo_JKishi18gou_3236.kif
△4四銀に△同銀
前回紹介したとおり、△4四銀に▲2四歩と飛車先を突破するのは後手右玉優勢。
そこで、▲同銀とした場合(上図)はどうすればよいか?
△同歩までは必然。ここで先手の手が広い。
▲2四歩が恐らく先手の最善手
自然な▲2四歩が恐らく最善手。本譜もそのように進んだ。
同歩は必然。ここで先手に勝負手がある。
鬼手4三銀打!
4三銀打!
この鬼手を右玉側は警戒しなければならない。
△同金に▲2四飛。
銀を犠牲に飛車先突破が約束された形だ。
ソフト評価値はまったくの互角!
アマ同士なら先手が押し切ってしまいそう。プロ棋戦でぜひ見てみたい。
ソフト同士の進行例はこんな感じだ。
※参考棋譜
▲3五角打も有力
本譜は▲3五角打。この手も十分にありえる。
ここは歩を無理に受けず△6二玉が良さそう。
▲4四角に、△4八歩打!
これは以前にも紹介した手。これで右玉寄りの互角だ。
ソフトが指した右玉次の一手 その1(7二金型右玉)
以前のエントリで、JKishi18gouの右玉を紹介した。 今回はそれら右玉の棋譜から7二金型右玉で対人間で指した手のうち、興味深いものを3つ紹介したい。 次の一手形式で紹介するが、創作次の一手のような鮮やかな解答というわけではない。また、...
▲3五銀打
▲3五銀打も▲3五角と同じくらい有力。
この場合も△6二玉としよう。
こちらも歩は見捨てて△6二玉。
最善手は▲2四飛
▲4四銀や▲2四銀も考えられるが、最善は▲2四飛。
以下、後手が△3六銀打から反撃する展開になる。形勢は右玉よりの互角。
▲2四銀には△3六角打!
▲2四銀には△3六角打があって後手優勢。
狙いは△4七角成と△2七銀打だが、先手は受けにくい。
▲4四銀には△4一飛
▲4四銀には△4一飛と回ろう。後手有利。
▲3五角打や▲2六角打は4二銀で受かる。
以上、どの変化も右玉は悪くないが、少しでも間違えると危険。しっかり研究して指してほしい。
次回は△4四銀のぶつけに、▲4六銀と引いた場合の展開を紹介したい。