PR

山崎隆之八段、順位戦で再び対振り右玉を採用! 先手番での結末は?

プロの右玉

2019年11月15日に行われた順位戦B級1組で、山崎隆之八段が対振り右玉(糸谷流右玉)を採用してくれたので紹介したい。

山崎隆之八段は関西の強豪棋士。右玉党といっても過言ではないくらい、右玉の採用は多い。

対するのは、菅井竜也八段。王位の経験を持つ若手トップ棋士で、振り飛車党だ。

本譜は、後手の四間飛車に対し、先手は5八金型の糸谷流右玉に構えるという展開に。山崎八段は、11月6日の棋聖戦に続く対振り右玉の採用となる。

山崎隆之八段、プロ棋戦では珍しい対振り右玉で三間飛車穴熊に勝利!
2019年11月6日に行われたヒューリック杯棋聖戦一次予選で、山崎隆之八段が対振り右玉を採用してくれたので紹介したい。 山崎隆之八段といえば、元祖西の王子。独創性の高い序盤構想に定評があり、強力な受け技術も兼ね備える。右玉の採用も多い。 対...

棋譜は、スマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」、もしくは名人戦棋譜速報(有料)からどうぞ

※「棋譜利用に関するお願い」に基づいて、局面図の利用許諾を申請中です。右玉NOWの申請状況はこちらで確認できます。

先手対振り右玉と四間飛車の戦い

先手の作戦はまさかの対振り右玉。左銀で角にヒモを付けておき、角道を通したまま駒組みを進める。
その後、お互いに飛車を6筋に振って、6筋が争点に。この時点での形勢は互角。

先手は左桂を攻めに参加させ、左銀を5七まで移動させる。先手の陣形はかなり堅くなったが、後手も銀冠を完成。
ソフトは後手が銀冠に組んでいる間に、▲8六歩を入れたあと、角を5七まで移動させる展開を予想していたようだ(以下図。実戦での局面図ではありません)。そう進んだ場合は、先手有利という評価となる。

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金v飛 ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v銀 ・v金v銀 ・v角v歩 ・|三
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 金 歩 歩 歩 ・ ・|六
| ・ ・ 桂 ・ 角 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 銀 ・ ・ 玉 金 ・ ・|八
| 香 ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
手数=47  ▲5七角(79) まで

後手が徐々にポイントを上げる

後手は50手目に単騎の△2五桂。▲同桂で一時的に桂損になるが、△2四歩から取り返せる。この手を境に形勢は徐々に後手へ。
後手陣は金銀4枚が守る堅陣。先手に有効な手は少なく、それを見越した後手が徐々にポイントを上げるという展開になり、少し早めの投了となった。逆転力のある山崎八段でも最後は厳しすぎるか。

というわけで、今回は対振り右玉側の完敗になってしまったが、中盤までは先手が互角以上だった。
右玉NOWは、今後も山崎八段を応援します!

タイトルとURLをコピーしました