飯塚祐紀七段、順位戦で角換わり右玉を採用して勝利!

プロの右玉

2019年11月13日に行われた順位戦B級2組の対局で、飯塚祐紀七段が右玉を採用してくれたので紹介したい。

飯塚祐紀七段は居飛車党のベテラン棋士。棒銀を得意とし、「最強棒銀戦法」は名著といわれる。解説者としても人気が高い。奨励会は羽生善治、森内俊之、佐藤康光と同期。

対するのは阿部隆八段。居飛車のベテランだ。先日の藤井聡太七段戦では角換わりからセカステ右玉を採用している。

阿部隆八段、セカステ右玉で藤井聡太七段の角換わりに対抗!
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本譜は角換わり腰掛け銀の同型から後手の飯塚七段が右玉へ移行する展開となった。右玉ならではの玉の早逃げの手筋が見られる。

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腰掛け銀から待機策を経て右玉へ

本譜は角換わりから、一時的に角換わり腰掛け銀同型になるも先手は矢倉、後手は待機策へ。先手が5筋と2筋の歩を伸ばしてから、後手は右玉に構える。ぱっと見は先手作戦勝ちに見えるが、ソフトの評価は互角。

先手は7八の金を6七へ。あまり見ない手だ。右玉は左銀を3三の位置から4三の位置へ組み替える。矢倉右玉から風車右玉にした形だ。

先手、▲4七角打&銀冠へ

先手は55手目に▲4七角打を放つ。これは右玉対策の手筋で、右玉側としては7四の桂頭と端攻めから9ニの地点をケアしなければならない。
さらに先手は▲8八銀と引き、そこから相手の飛車先歩交換に乗じて銀冠へ組み替える。銀冠も対右玉の優秀な作戦だ。ただ、本局はやや金銀がバラバラなこともあって、ソフト評価は互角。後手の右玉も不満のないところ。

先手は角筋を生かして、右銀を7四まで進出する。この瞬間に後手の△4七歩打が好手だった。取ると▲6五桂があってこの歩は取り切れない。

先手勝負手の▲8ニ銀打が通る

97手目、先手は▲8ニ銀打! △同飛でタダに見えるが、取れば▲7四桂打が王手飛車取り。先手は△2一飛と逃げたがこれが悪手だった。堂々と△同飛で、後手がよかったようだ。右玉で飛車を渡すのは怖すぎるが。

ここから先手は再び左辺へ玉を遁走する。右玉は戦場を早めに離れることが重要だ。しかし、106手目時点では先手有利の評価。やや後手が消極的だったかも知れない。

107手目▲4五歩打が緩手で流れは右玉へ

本局のポイントとなったのは107手目の▲4五歩打。△5五桂は見えるものの、次の▲4四歩が強烈なので自然に見えるが、これがソフトに寄ると悪手。先手優勢から、後手やや有利まで一気に評価がひっくり返った。△5五桂の放置はまずかったようだ。

後手は128手目△6六桂打から一気に寄せに入る。150手目に必死。流れるような手順だ。
後手玉は詰まず、少し指して投了となった。

というわけで、先手にもチャンスはあったものの、最後は後手が鋭く寄せて勝利となった一局でした。
右玉NOWは今後も飯塚七段を応援します!