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佐々木大地五段、変則右玉で棋王戦挑戦者決定戦第1局を勝利!

プロの右玉

2019年12月16日に行われた棋王戦挑戦者決定戦第1局で、後手の佐々木大地五段が右玉を採用してくれたので紹介したい。

佐々木大地五段といえば、右玉の採用が多い右玉党注目の若手棋士。本局もそうだが、セカステ右玉など変則的な右玉を採用することもある。
詳しくは佐々木大地五段の右玉カテゴリを見てほしい。

一方の本田奎四段は22歳の若手四段ながら、棋王戦挑戦者決定戦まで上り詰めてきた。
居飛車党で相掛かりが得意。

棋王戦の挑戦者決定トーナメントは2敗脱落システムで、佐々木五段は敗者復活戦から勝ち上がってきたため、挑戦者になるには2勝が必要になる。一方の本田四段は勝利すれば、棋王戦の挑戦者に。お互いに超重要な一局である。

本局は相掛かりから後手の佐々木大地五段が右玉に構える進行となった。

というわけで、棋譜は以下からどうぞ

2019年12月16日 第45期棋王戦挑戦者決定二番勝負 第1局 佐々木大地五段 対 本田奎四段
※要Flash

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序盤は罠の張り合いに

序盤は相掛かり模様から先手が横歩を取る。後手は右金を4三に移動させて備えるが、そこからまさかの右玉。玉の近くの金駒は銀1枚のみ。残りの金銀はまるで角を囲っているような格好だ。
対する先手は中住まい。
40手目、△4五歩はなかなかすごい手。桂馬を跳ねてこい、と誘っているようだがこれは罠。本譜は角交換と進行した。
一方、先手47手目の▲8六歩はさらにすごい。△同飛とタダで取れるからだ。
しかし、こちらも罠。
▲7五歩という手があるのだ。右玉側によくある手筋で、△同歩は▲7四歩打が突き刺さる。△同銀は▲4一角打が金銀取り。
というわけで、△7五歩は同歩と取れないが、これは苦しい。ソフト評価も先手有利となる。

後手、5四角打

52手目、後手は△5四角打を放つ。対右玉でよくある手筋だが、右玉側から放った格好だ。
先手は3六にいる銀が間接的に浮いているのでうまく受ける必要がある。

少し進んで61手目に先手も▲5六角打と同じような筋で角を放つ。だが、この時点ではすでに形勢は後手寄りになっているようだ。本局は角打ちに対する受け方も参考になるだろう。

後手、取れる角を放置して華麗に寄せる

68手目、△3六銀が後手の好手。
先手は▲5四角で角交換をするが、後手は角を放置して一気に寄せに入る。
△4七歩成からばらし、△8六飛の王手も入れて十分に形を作ってから、角を取る。
▲4八歩打なのでまだ粘れる局面ではあるが、形勢は大差。ここで先手の本田四段の投了となった。

というわけで、次局は勝ったほうが棋王挑戦。
右玉NOWは今後も佐々木大地五段を応援します!

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