先日、2020年5月28日と5月29日で4局の右玉が出現したと紹介したばかりだが、5月30日と6月1日の2日間にも右玉が3局登場した。
これだけ右玉が集中することは珍しい。いや、もはや珍しいのではなく立派な主力戦法になったと言ってよいだろう。
というわけで、右玉3局を簡単に紹介したい。
棋譜はいずれも、スマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
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2020/05/31 小林宏七段 vs 西尾明七段
2020-05-31 棋聖戦小林 宏 七段 vs. 西尾 明 七段 第92期ヒューリック杯棋聖戦一次予選
角換わり右玉 vs 穴熊の戦い。54手目に△6九角打が入れば右玉有利だったかもしれない。終盤は先手の攻めがわずかに足りないように見えたが、強烈な決め手があり、先手勝ち。
2020/06/01 佐藤紳哉七段 vs 佐藤慎一五段
2020-06-01 棋聖戦佐藤紳哉 七段 vs. 佐藤慎一 五段 第92期ヒューリック杯棋聖戦一次予選
サトシン対決は矢倉vs右玉へ。右玉側から積極的に仕掛けるが、やや無理があるか。87手目、先手は▲4四桂と打ったが、悪手だったかもしれない。△4八飛打なら桂馬を抜けそうなので逆転したかもしれない。
2020/06/01 北島忠雄七段 vs 岡崎洋七段
2020-06-01 棋聖戦北島忠雄 七段 vs. 岡崎 洋 七段 第92期ヒューリック杯棋聖戦一次予選
ベテラン同士の対局はオーソドックスな角換わり右玉へ。右玉側が2二金型のまま戦うのは「現代右玉のすべて」でも類型がある。ソフトによると52手目に△8六歩を入れたところから悪くなっているが、悪手に見えないので難解だ。
というわけで、3局とも右玉側の負けになってしまったがそれは仕方がないところ。
今後もプロ棋戦で右玉がたくさん登場することに期待したい。