2020年10月13日に行なわれたヒューリック棋聖戦二次予選にて、先手の大石直嗣七段が先手右玉を採用してくれたので紹介したい。
大石直嗣七段は居飛車党ながら振り飛車を指すこともある30代中堅棋士。順位戦はB級2組、竜王戦は3組と実力は高く、2度の王位リーグ入りの経験がある。今年3月の順位戦ではセカステ右玉の採用も。
大石直嗣七段、順位戦でセカステ右玉を採用!
2020年3月11日に行われた順位戦B級2組の対局で、後手番の大石直嗣七段が右玉を採用してくれたので紹介したい。 大石直嗣七段は19歳でプロ入りした現在30歳。NHK杯ベスト4、2回の王位リーグ入りの実績がある。振り飛車も指すが、基本居飛車...
対する後手は船江恒平六段。ふなえもんの愛称で人気の、こちらも30代中堅棋士だ。
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プロ棋戦では珍しい先手右玉
序盤、先手は雁木風の出だし。後手も態度を保留しつつ、角交換。後手は角を打ち直し、先手も再度角を手放す少し変わった展開となった。
先手は45手目にして右玉へ。いわゆる風車右玉と呼ばれる形。先手は左美濃となった。
先手、▲2六桂打から優勢に
65手目、先手は▲2六桂打。右玉の攻めの手筋と言える一手で、互角の展開からやや優勢になっていく。角交換なしの右玉を指す人には参考になるだろう。
1分将棋の中のドラマ
本譜のハイライトは最後の最後に訪れた。
153手目の局面、1分将棋の中、後手玉には13手詰みが発生。
大石七段は詰めろを選択したが、驚くべきことに先手玉にも詰みが生じていた。
後手としては詰ますしかないが、かなり見えにくい13手詰めの筋。
詰将棋を得意とする船江六段は見事詰み上げて逆転勝利となった。
詰将棋に自信がある人は、151手目の局面から読み切ってほしい。
というわけで、残念ながら右玉側の負けになったが、受け攻めともに右玉党にとって参考になる一局と言えるだろう。
右玉NOWは今後も大石七段を応援します!