2020年11月2日に行われた竜王戦6組昇級者決定戦で、後手番の池永天志四段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
池永天志(たかし)四段は2018年プロ入りの若手棋士。先月行われた新人王戦で優勝するなど今期好調で、勝率7割超え中。居飛車党で角換わりの棋書もある。Twitterはこちら。
対する先手は佐々木大地五段。先日も紹介したばかりだが、右玉を得意とする若手棋士。本局は右玉を相手にすることとなった。
本譜は相掛かりの出だしから、後手は右玉とする展開となった。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
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相掛かりから右玉へ
序盤は相掛かり。後手は△5三銀型の右玉へ変化する。相掛かりからへの右玉は意外く、プロ棋戦でも何度も出現している。
後手、強気な角交換強要
42手目△3四歩はかなり強気な一手。角道を開ける一手だが、同銀で先手の攻めが前進してしまう。しかし、この手は十分成立しているようで、一気に2筋を突破されてしまうことはないようだ。
似たような指し方は水匠改2もやっているので参考にしてほしい。
後手、冷静な金引きで勝利へ
中盤以降は微差で後手がよい状況が続くが、先手も決めては与えない。
105手目、先手は角取りを手抜いて、▲4四桂と飛び出る。ここで、後手が△5一金と冷静引いた手が好手。角取りの誘惑に負けていたら勝負はまだわからなかった。
先手は攻め続けるが、届かず投了。後手の勝ちとなった。
というわけで、相掛かりからの右玉という一局でした。これで池永四段は五組昇級。
佐々木大五段戦(竜王戦)。相掛かりからこちらが右玉になり、夕休明けあたりから玉の堅さが生きる展開になりました。終盤は方針が定まらずに乱れてしまい、最後まで際どい将棋でした。
— 池永 天志 (@takashi5420) November 2, 2020
右玉NOWは今後も池永天志四段を応援します!