2020年5月3~4日開催世界コンピュータ将棋オンライン大会で優勝した水匠2の後継ソフト「水匠3」が作者のたややんさんによって公開されました。
第1回世界将棋AI #電竜戦 TSEC、B級ウルトラリーグにて、水匠は78勝30敗という成績で1位の成績を取ることが出来ました。
ニコ生等でご覧いただき、ありがとうございます!本番に使用した水匠3評価関数を公開いたします。他の評価関数とともに遊んでいただければと思います!https://t.co/nyIBbxXFsQ
— たややん@水匠(COM将棋) (@tayayan_ts) December 31, 2020
水匠3(と目される評価関数)は、電竜戦は「みずうら王 with お多福ラボ」と参加して4位。
電竜戦 番外編(TSEC)では、B級ウルトラリーグに参加して優勝と、現在の評価関数の中でもトップクラスの実力です。導入も比較的簡単ですので、2021年に将棋ソフトを導入したい人には非常におすすめ!
というわけで、水匠3の導入手順を解説します。
水匠3をダウンロードして導入する
まずは、水匠3をダウンロードする。
Googleドライブのダウンロードページを開き、右上のダウンロードボタンをクリックする。
「ダウンロード」をクリックすればダウンロードが始まる。
ダウンロードした「水匠3(201231).zip」を解凍する。Windows標準機能で解凍が可能だし、解凍ソフトを使ってもよい。
解凍すると「水匠3」というフォルダができるので、任意の場所に保存しておこう。今回はCドライブの下に「engine」というフォルダを作成し、その中に「水匠3」フォルダをコピーした。もちろん、どのフォルダにコピーしても問題ない。
「水匠3」フォルダの中身は上の画面写真のようになっている。
ShogiGUIに水匠3を登録する
ShogiGUIを起動し、メニューから「ツール」→「エンジン設定」を選択する。
※ShogiGUIをインストールしていない場合は、以下のエントリを参考にして導入してほしい。
「追加」ボタンをクリックする。
「水匠3」フォルダ内にある「YneuraOu~」で始まるファイルを選択する。ファイル名に書かれている通り、CPUによって選択できるファイルは違う。よくわからなければ、まずは「YaneuraOu_avx2(Intel CPU用).exe」を試してみよう。うまくいかなければ、「YaneuraOu_no_sse(古いPC用).exe」を使おう。AMDのRyzen(ZEN2以降)シリーズなら「YaneuraOu_zen2(AMD_ZEN2用).exe」を選択しよう。Ryzen Threadripper 3990X使いの藤井聡太二冠は「YaneuraOu_zen2(AMD_ZEN2用).exe」を利用してほしい。
「OK」をクリックする。
再度「OK」をクリックすれば、水匠3のShogiGUIへの登録は完了だ。
水匠3改にアップデートする
2021年1月18日に水匠3改造が公開されました。
水匠3改を公開いたします(評価関数ファイルのみ)。
手元の計測上は強くなっているのですが…追加検証をしていただけるのであれば幸甚です。
当面の間は新評価関数の公開は控えます。これは強い、というNNUE評価関数が現れてから、その背中を追いかけようと思います!https://t.co/PYFPB9xWt9 https://t.co/8NfABEADkM— たややん@水匠(COM将棋) (@tayayan_ts) January 18, 2021
評価関数だけの公開なので、あらかじめ水匠3を導入しておき、それから評価関数を上書きする方法がおすすめです。
こちらからGoogleドライブページを開き、評価関数をダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
中に「nn.bin」というファイルがあるのでコピーする。
水匠3をインストールしたフォルダに有る「eval」フォルダ内に上書きコピーする。以上で水匠改3へのアップデートは完了です。
水匠3で局面を検討する
検討したい局面で、「検討」をクリックする。
エンジン設定で「Suisho3/YO5.40」を選択し、思考時間等を設定して「検討開始」を選ぶ。
検討がはじまる。対局や棋譜解析でもエンジンを「Suisho3/YO5.40」にすればOKだ。
以上、水匠3の導入方法でした。