2020年3月1日に行われた棋王戦五番勝負第3局にて、後手番の本田奎五段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
本田奎五段は22歳の若さで棋王戦のタイトルに挑戦中。得意戦法は相掛かり。先日のアゲアゲさんの棋士編入試験でも右玉を採用してくれたばかりだ。
対する先手は渡辺明棋王。現在三冠を保持し、豊島竜王・名人と双璧をなす将棋界のトッププレイヤー。中学生棋士とデビューし常にトップレベルを維持していたが、30代中盤にして全盛期を迎えていると言っても過言ではないだろう。
なお、前局の棋王戦五番勝負第2局では、渡辺明棋王が右玉を採用していた。
棋王戦はここまで1勝1敗の五分。本局は矢倉模様の出だしから後手が右玉に組み替えるという展開となった。
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八連覇かデビュー1年目の星か 第45期 棋王戦 渡辺明棋王 対 本田奎五段
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【将棋】第45期棋王戦 五番勝負 第3局 渡辺明棋王 vs 本田奎五段
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先手、右玉に移動する瞬間を狙う
序盤は相矢倉模様だったが、先手が早繰り銀を見せる。対する後手は戦場を離れる意味で、一度4一までに移動した玉を5一へ。その瞬間に先手の渡辺棋王は▲4五銀! この手が機敏で、先手がはやくも一本取った形となった。
後手、右玉にするも苦しい展開に
後手は必死に受けるが、54手目△6二玉として右玉を完成した瞬間はすで先手勝勢。その先手が渡辺棋王となれば、逆転はすでに難しい形だ。
81手目▲8二銀を見て後手の本田五段の投了となった。取ると王手飛車で収拾がつかないが、取らざるを得ない。投了もやむなしだろう。
というわけで、本局は右玉になる前に勝負がついてしまった。しかし、タイトル戦での右玉は、右玉党に取って意義があると思うので、紹介させていただいた。
今回は不発だったものの、右玉NOWは今後も本田奎五段を応援します!